「昼は看護婦、夜は肉体改造の被検体…」第3話をお送りします…

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「昼は看護婦、夜は肉体改造の被検体…」完成しました。全18話です。
ブルブルブルッ……

「んんっ……きゃんっ!?」



 意識を取り戻した矢先、未結はあっけなく震え上がってしまう。

 目覚めたばかりにもかかわらず、耐え難い肌寒さにいきなり襲われていたのだ。

 恐る恐る下半身を覗き込んだ矢先、気づいたら出来上がっていた状態に茫然とせずにいられない。

 婦長に仕向けられるまま実験室のベッドで一夜を過ごす間に、とんでもない格好を作り上げてしまったのだ。



ジトジトジトッ、グシュグシュグシュッ……

(寝る前もちゃんと身体を拭いてもらったはずなのに……また、こんなに沢山オシッコを漏らしちゃってるなんて!?)



 下半身のほとんどに広がる感触に、未結はすっかり圧倒させられる。

 寝ている間も股間に入れられていた尿導カテーテルのせいで、延々とオシッコを垂れ流してしまったのだ……背中や踝の辺りにも絡みつく、濡れたシーツの感触に思わず気を取られてしまう。

 強引にオネショさせられるだけでも考えられないのに、時間とともに冷え切っているのが不快でたまらない。

 いくら膀胱を閉ざせなかったとしても、あまりに大量のオシッコを漏らしてしまった事実など、あまりに気持ちが受け入れられそうにないのだ……



「う、うぐぅっ……」

ギチギチギチッ。



 不愉快な肌触りや甘臭い空気を避けようとベッドから起き上がった矢先、未結はあっけなく身動きを封じられてしまう。

 両手と両脚を拘束具によって括られたまま、ずっと大の字の格好で寝かしつけられていたのだ。

 どんなに身を捩らせても、少しも体勢を変えられないばかりか、シーツの上に広がったはしたない液体が続々と流れてくる様子に気づいて、つい身をこわばらせずにいられない。

 今にもオシッコで溺れそうな状態に陥っているのに、濡れ尽くした身体を少しも拭えそうにないのだ。



ガチャッ。

「おはよう、稲美さん。ちゃんと眠れたかしら?」



 もがき続けている未結の元に、不意に誰かがやってくる。

 早朝のうちに未結の様子を確かめようと、婦長が実験室へと脚を踏み入れてきたのだ。

 どうやら目を覚ましているようだと気づいて、さりげなく未結の様子を窺ってくる。



「ふ、婦長!? お願いだから、それ以上近づかないでください……きゃんっ!?」

ガバッ。



 いきなり距離を詰めてくる婦長の姿に、未結はあっけなくうろたえてしまう。

 自分でもみっともなく感じている格好などを、これから婦長に探られようとしていたのだ……すぐ傍にいる彼女の存在など、あまりに気まずくてたまらない。

 はしたない下半身の状態を見られるのを恐れるあまりに顔を背けたまま、まともな挨拶すら交わせそうになかったのだ。



「稲美さんってば、そんなワガママなんて言わないでよ。これから昨日みたいに仕事をこなしてもらうつもりなんだから?」



 未結の恥じらう様子をじっくりと見据えながら、婦長はさりげなく話しかける。

 これから通常の勤務が控えていたので、すぐ準備を整えるよう言い放つ。

 用件を伝える間もずっと震え上がったまま、自分の方を少しも振り向こうとしない未結の素振りがつい気にせずにいられない。



「そんな……こんな所で寝かされるだけでも大変だったのに。本当にこのまま仕事にも向かわせるつもりなんですか、はうぅんっ!?」

フルフルフルッ……



 婦長のとんでもない言い分に、未結は思わず耳を疑ってしまう。

 おかしな実験を仕向けられるだけでも考えられないのに、昨日のように看護の仕事を始めるよう迫られていたのだ……夜中に垂れ流したオシッコに全身を浸した格好のまま、人前になど到底出られそうになかった。

 恐る恐る婦長に本音を洩らした矢先、あっけなく言葉を詰まらせてしまうのだ。



スベスベスベッ。

「稲美さん、ちょっとだけおとなしくしてて……それにしても随分たっぷりオシッコを漏らしちゃったのね? ちゃんとお股をきれいにしてあげるから、すぐ身支度なさい?」



 必死に何かを訴えようとする未結も構わず、婦長は淡々と準備に取り掛かっていた。

 下半身に手を差し伸べた後、股間から飛び出している尿導カテーテルに栓をして、全身に纏わりつくオシッコを肌に染みついた尿臭ごと丹念に拭い去る。

 手足を繋いでいた拘束具を外した後も小さな身体をしっかりと取り押さえるだけで、いとも簡単に未結の身動きを封じられるのが面白くてたまらない。



「も、もう起き上がっても良いんですか……んんっ!」

カクカクカクッ……



 婦長に迫られるまま清拭させられる間も、未結はおかしな焦りに苛まれてしまう。

 やっとの思いでベッドから起き上がったはずなのに、つい身をこわばらせずにいられない……体勢を変えるたびに、身体の内側に耐え難い感覚が一気に突き抜けてくるのだ。

 とっさに身を縮めた後も、ついうろたえずにいられない。

 これ以上おかしな目になど遭いたくなかったのに、婦長の手を払い除けるどころか腰を持ち上げることすら出来そうになかったのだ。



キリキリキリッ……

(やっと手足も自由になったのに、お股の管がこんなに邪魔になっちゃうなんて……!?)



 背筋を張り詰めた後も、未結は下半身の状態に気を取られてしまう。

 婦長の手によって清拭を受ける間も、未だに大事な部分の奥底へ異物を埋め込まれたままなのだ。

 敏感な部分へと走る痛みのせいで、つい身震いせずにいられない。

 ずっと手足に嵌められていた拘束具も外してもらったはずなのに、気づかぬ間に体勢を変えるのも辛い状態へと苛まれてしまったのだ……



「もう、あまりグズグズしない。もし遅刻しちゃったらどうするつもりなの?」



 なかなかベッドから腰を持ち上げようとしない未結へと、婦長はすぐに注意をぶつける。

 全身からオシッコを拭い去った後、これから新しい看護服へ着替えさせるつもりでいたのに、少しも自分から動こうとしない素振りなどじれったくてたまらない。

 ついには細い肩をしっかりと掴んだまま、強引にその場へと立たせていたのだ。



「そ、そんなこと言われたって……うぅっ! このままじゃ歩くのも大変だから、お股の管だけでも取ってください……ひうぅんっ!?」

ブルブルブルッ……



 婦長に文句を洩らしながら、未結はさらに落ち着きを失ってしまう。

 どんなに婦長から迫られても、まさか勤務などこなせそうになかった……膀胱を押し広げる異物を入れられたまま過ごしてしまえば、いつ何かの拍子にオシッコを垂れ流してしまうかも分からなかった。

 ほんの少し身動きを取るだけで、大事な部分が疼いてたまらない。

 せめて管だけでも引き抜いて欲しいと訴える間も、ひとりでに腰をくねらせてしまうのだ。



「残念ね、稲美さん。お股の管は当分差しっ放しにするよう、上から通達が来てるのよ……でも、もし仕事の途中でオシッコを漏らしちゃっても大変だと思って、とっても良いものを用意してあるのよ?」



 未結の悲痛な訴えを、婦長は容赦なく跳ね除ける。

 身体の準備を整えるため、未結には無理にでも尿導カテーテルを差し込んだまま勤務に当たらせるつもりでいたのだ。

 どうやら昨日のように人前で失禁をしでかすのを恐れているようだと気づいて、さりげなく未結へと話を持ち掛ける。

 さすがに勤務中に失禁をしでかして、病院じゅうをオシッコまみれにさせられても困るはずだと踏まえた上で、これから別の準備へと取り掛かるつもりでいたのだ……



      *      *      *      *      *      *



「……あら、稲美さんもちゃんと来たみたいよ?」

「もう、新入りのくせに私達より遅れて来るって、一体どう言うつもりなのよ?」

「一度もロッカーに来てなかったはずなのに……いつの間に着替えちゃったのかしらね?」



 あと少しでミーティングの時間を迎えようとしていた矢先、未結が婦長とともにナースステーションへと姿を見せる。

 新人の分際で、ミーティングが始まるはずなのに、どうして時間ギリギリでやってくるのかと文句をぶつけずにいられない。



「ご、ごめんなさい。私のせいで待たせちゃって……はうぅっ!?」

モジモジモジッ。



 先輩達の指摘に焦りながら、未結はその場へと立ち尽くす。

 自らの不手際を注意させられるだけでも気まずくてたまらない中、つい腰をくねらせずにいられない。

 これからミーティングが始まろうとする間も、とんでもない状態が下半身で繰り広げられていたのだ。



ギチギチギチッ……

(ほんのちょっと歩いただけなのに、お股がこんなに痛くてたまらないなんて……いくら何でも、これじゃまともに仕事なんてこなせそうにないよぉ!?)



 その場にたたずんでいる間も、未結はおかしな感覚に気を取られてしまう。

 尿導カテーテルを排尿器官へ差し込まれた後、少しも引き抜いてもらえないまま勤務へ当たるよう婦長に仕向けられてしまったのだ……身体の奥底まで埋め込まれた管が大事な部分に擦れてきて、つい身を捩らせずにいられない。

 婦長に手を引っ張られるままナースステーションに向かう間も、脚を持ち上げるだけで痛くてたまらない中、本当にちゃんと勤務などをこなせるのか、あまりに気懸かりでたまらないのだ……



「……ねぇ、稲美さん。さっきから一体どうしたの?」

「もしかして、どこか調子でも悪くしちゃってるのかな?」

「患者さん達に心配されても困っちゃうし、病気ならちゃんと正直に言うのよ?」



 未結のおかしな様子に気づいて、先輩達はそっと言葉を投げ掛ける。

 何度も腰をくねらせながら呻き声まで洩らしている様子から、どうやら体調でも崩しているようだった。

 もし院内感染でも起こされたら大変なので、もし病気ならしっかり明かすよう言い放つ。



「べ、別に構わないでください。何でもありませんから……きゃんっ!?」



 先輩達に返事を誤魔化す間も、未結はますます慌ててしまう。

 あまりに考えられない下半身の状態など、もし周りから疑われてしまえばどんな事態を招いてしまうかも分からなかった。

 思いついたばかりの言い訳を口にした矢先、あっけなく言葉を遮られてしまう。



「ミーティングも終わったところだし……それじゃ稲美さん、私についていらっしゃい?」

グイッ。



 戸惑っている未結も構わず、婦長は平然と手首を握り締める。

 ミーティングも無事にこなしたので、すぐに勤務へ向かおうと誘い出す。

 おかしな仕草を周囲から疑われる前に、強引に連れ出すつもりでいたのだ……



      *      *      *      *      *      *



「ふぅっ、ふぅっ、ふぅっ……ひうぅんっ!?」

ヨタヨタヨタッ。



 婦長に手を引かれるまま勤務へと向かう間も、未結はぎこちない仕草をなかなか止められそうになかった。

 脚を持ち上げるたびに背筋を捩らせたまま、あっけなく悲鳴を洩らしてしまう。

 通路を歩き続けるだけでも大変な中、本当にこれから病室を回らないといけないのかと気にせずにいられない。



「もう、稲美さん。しっかり背筋くらい伸ばしなさい。患者さん達の前では元気に振る舞うのも、看護婦として立派な役目なんだから?」



 なかなか自分から歩こうとしない未結の様子に、婦長もさすがに手を焼いてしまう。

 看護中に患者達を不安にさせてるわけにはいかないのに、なかなか姿勢を正そうとしなかったのだ。

 ついには未結を呼び止めたまま、おかしな仕草を決して人前で見せないよう平然と言い放つ。



「そ、そんなこと言われても。まだお股が慣れなくって困ってるのに……きゃんっ!?」

ヒクヒクヒクッ。



 婦長からぶつけられた注意に、未結はますます困り果ててしまう。

 ただでさえ下半身がとんでもない状態へ陥っているのに、まともに勤務などこなせそうになかった。

 患者達のいる前で粗相などを引き起こしても大変なので、何としても管を取り除いてもらうつもりでいたのに、少しも婦長に切り出せないうちに口を噤んでしまう。

 まだ通路を歩いている途中なのに、いきなり下半身を探られてしまったのだ。



クシュクシュクシュッ。

「さすがにまだ痛むかもしれないけど、じきに身体に馴染んでくれるはずよ? それにぶら下げているパックのおかげで、どんなにお股が緩んじゃっても平気なはずなんだから……!」



 うろたえている未結を相手に、婦長は平然と下半身を弄り回す。

 実験室を立ち去る前に特別な準備を施してあげたはずなのに、少しも言うことを聞き入れようとしない未結の振る舞いなど、あまりに苛立たずにいられなかった。

 看護服の内側に忍ばせているビニール状の物体を探りながら、たとえ人前で粗相をしでかしても構わないはずだと平然と詰め寄ってくるのだ。



「そ、そんな……いくら何でも勤務中にお漏らしなんて絶対に出来そうにないのに……!」

ワナワナワナッ……



 婦長のいやらしい手つきに、未結はあっけなく言葉を失ってしまう。

 まだ勤務にすら向かっていないのに、下半身の状態をいたずらに探られるなど焦らずにいられない。

 いくら下半身の準備が整っていると婦長から聞かされても、まさか昨日のような失態など決して冒せそうになかったのだ……



(お股に管を入れられてるだけでも大変なのに……パックの中にオシッコなんて溜めたまま、ずっと勤務を続けなきゃいけないなんて!?)



 下半身に作り上げられた状態を振り返りながら、未結はさらに落ち着きを失ってしまう。

 尿導カテーテルを差し込んだ状態でも勤務がこなせるよう、看護服の内側に採尿パックを装着させられていたのだ……腰の辺りにぶら下がっている袋の存在など、思い返すだけでも気まずくてたまらない。

 これ以上の辱めを避けるために、何としても婦長の手つきを払い除けなければいけないのに、大事な部分へと走る刺激を身に受けるたびに、ひとりでに背筋をこわばらせてしまうのだ……



「稲美さんのために、いいことを教えてあげるわね……一昨日のお漏らし、まだ患者さん達も噂しちゃってるみたいなの。当分はパックを装着した方が、稲美さんもきっと仕事に集中できるんじゃないかしら?」



 頬を震わせている未結へと、婦長はおかしな話を切り出す。

 昨日に引き起こした未結の失禁が、病室の中で噂となって広がっていたのだ……新人の身にもかかわらず、人前でオシッコを垂れ流すような真似など、さすがに患者達も気にせずにいられないはずだと口にする。

 無事に勤務をこなすためにも、これからは採尿パックを装着した方が安心できるはずだとまで言い寄ってくるのだ。



「そ、そんな恥ずかしいこと、思い出させないでください……きゃんっ!?」

フラフラフラッ……



 あまりに考えられない婦長の言い分に、未結はますます困り果ててしまう。

 自分でも恥ずかしくてたまらない粗相の事実などを、もしかしたら患者達に問い詰められてしまうかもしれなかったのだ……どう事情を明かせば良いかも分からない中、つい悲鳴を洩らさずにいられない。

 未だにためらわずにいられない中、気づいたら婦長に手を引かれるまま着々と病室へ向かわされてしまうのだ……



      *      *      *      *      *      *



「お、お熱は大丈夫ですか……はうぅんっ!?」

モジモジモジッ。



 ついに病室へと辿り着いてしまったので、未結は無理にでも任務へ当たるしかなかった。

 婦長に見守られるままひたむきに患者達のお世話を続ける間も、彼らから向けられる視線の行方を気にせずにいられない。

 昨日に引き起こした粗相をいつ持ち出されるかも分からない中、別の状況まで押し迫ってきたのだ。

 とっさに両脚をそろえた後も、ひとりでに身震いを引き起こしてしまう……



ゾクゾクゾクッ……

(もしかして、もうオシッコしたくなっちゃったの? 今朝だって、あんなに沢山漏らしちゃったばかりなのに……!?)



 下半身から着々と押し寄せる感覚に、未結はあっけなく意識を奪われてしまう。

 これから任務をこなさなければいけないのに、気づいたら尿意を催し始めてしまったのだ……寝ている間も延々と垂れ流した液体が、またしても膀胱の中に溜まっていく状態を否応なく思い知らされる。

 刻一刻と体内から分泌させられる代物の存在など、あまりに戸惑わずにいられない。

 大事な部分を少しも閉ざせない中、いつ何かの拍子に粗相を引き起こしてしまうかも分からないのだ……



「おや、新人さん。もしかして、またオシッコでも我慢してるのかい?」

「病室の中で漏らしちゃっても大変だし、今のうちにトイレへ行っておいた方が良いんじゃないか?」

「もし我慢できないなら尿瓶を貸してあげるから、ここで済ませちゃいないよ?」



 未結のおかしな仕草に気づいて、患者達は思い思いに騒ぎ出す。

 せわしなく太股を捩らせる様子から、どうやら尿意を抱えているようだと気づいて、面白半分に未結の下半身へと注目を寄せる。

 もしかしたら昨日のように未結が粗相をしでかすかもしれなかったので、徹底的な瞬間を拝ませてもらおうと考えていたのだ。



「べ、別に平気ですってば……はうぅんっ!?」

カクカクカクンッ……!



 患者達から向けられた注目に慌てるあまり、未結はあっけなく悲鳴を洩らしてしまう。

 おかしな追求を何としても跳ね除けなければいけなかったので、とっさに返事を誤魔化そうとした矢先、つい言葉を詰まらせずにいられない。

 下半身に突然引き起こされた事態のせいで、まともに体勢を保てそうになかったのだ。



シュルシュルシュルッ、コポコポコポッ……

(どうしよう、勝手にオシッコが出てきちゃって……全然止まってくれないよぉ!?)



 大事な部分からひとりでに溢れ出る液体の様子に、未結はありありと思い知らされる。

 膀胱に送り込まれたオシッコが細い管を通して、大事な部分から続々と飛び出してきたのだ……生温かい感触が押し寄せるたびに、あっけなく胸の奥底を揺さぶられてしまう。

 少しも括約筋を閉ざせないまま、寄りにも寄って患者達のいる目の前でオシッコを漏らしてしまったのだ。

 腰に取りつけられた採尿パックに注がれるたびに、おかしな物音がスカート越しに聞こえてくるがあまりに気まずくてたまらない。



「平気だって言われてもさ……新人さん、どうしてさっきから震えちゃってるんだい?」

「もしかしたら……もうオシッコを我慢できなくなっちゃったんじゃないか?」

「でも、おかしいな……あの時みたいに、少しもオシッコが垂れてこないみたいだけど。これは一体どう言うことだ?」



 何度も身を捩らせる未結へと、患者達はさらに言葉を続ける。

 太股を小刻みに震わせている様子など、どう見ても尿意を我慢しているようにしか考えられそうになかった。

 昨日のように粗相をしでかしても大変なので、すぐに用を足すよう口々に騒ぎ立ててくるのだ。



「お、お願いだから変なことなんて言わないでください……ひうぅんっ!?」

ブルブルブルッ……



 患者達からぶつけられる指摘に戸惑うあまり、未結はさらに落ち着きを失ってしまう。

 まさか看護の間も、昨日にしでかした粗相を彼らから引き合いにされるなど思いもしなかった。

 とっさに返事を返す間も、スカートの内側で繰り広げられる事態が気懸かりなあまり、ひとりでに手元を震わせてしまう。



チョロチョロチョロッ、タプタプタプッ。

(どうしてなの、このままじゃお漏らししちゃってるのがバレちゃうかもしれないのに……オシッコが勝手に出てきちゃって、パックの中がもうこんなに重たくなっちゃってるなんて!?)



 ひたむきに看護を続ける間も、未結はさらなる失禁を繰り広げていた。

 尿導カテーテルを通して流れてきたオシッコが腰に装着した採尿パックに次々と溜まってきて、はしたない重みを否応なく思い知らされる。

 下腹部に広がる生温かい感触を身に受けるたびに、あまりに申し訳なくてたまらない。

 しっかりと看護をこなさなければいけないはずの自分が、おかしな実験などに付き合わされるまま、人前で平然とオシッコを垂れ流し続けているのだ……



「稲美さん、ちゃんと体温は測り終わった? ちゃんと仕事を覚えなきゃ、いつまで経っても独り立ちなんて出来ないわよ?」



 未結の様子をじっくりと見据えたまま、婦長はさりげなく未結へと話しかける。

 まだ不慣れな未結がしっかりと業務を続けているのか、周りにいる患者達とともに見届けるつもりでいたのだ。

 肩をこわばらせたまま頬を赤くする様子や、不意に耳へ飛び込んでくる、弾けるような水音につい注目せずにいられない。



「ご、ごめんなさい。すぐ済ませますから……んんっ!」

ヌクヌクヌクッ、トプンッ。



 恐る恐る婦長へ返事を返す間も、未結はあっけなく悲鳴を洩らしてしまう。

 はしたない下半身の状態を誰にも気づかれないよう振る舞わないといけないのに、少しも体勢を整えられそうにないのだ。

 激しい恥じらいを掻き立てられるあまり、つい全身を火照らせずにいられない。

 垂れ流したオシッコなどを腰の辺りに抱えたまま、いつまで勤務などを続けなければいけないのか、考えるだけでも気が重たくてたまらないのだ……

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