「学校の規律には絶対に逆らえない」第4話をお送りします…

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「学校の規律には絶対に逆らえない」完成しました。全18話あるので、全話読みたい方はぜひお読み下さい。
「あ、あうぅっ……」

モジモジモジッ。



 五時間目の授業中、生活委員を務めていた家入いえいり 律子りつこはおかしな行動を取ってしまう。

 席に腰掛けたまま何度も身を捩らせて、おかしな声まで洩らし始めていたのだ。

 当分は席から立ち上がれそうにないのに、いきなり押し寄せてきた衝動に思い悩まずにいられない。

 もし周りにいるクラスメート達に疑われても大変なのに、腰をくねらせるのを少しも止められそうになかったのだ。



ゾクゾクゾクッ……

(どうしよう、もうオシッコしたくなってきちゃった。放課後までずっと我慢するつもりだったのに、どうしてみんな男子達の前でオシッコなんてしちゃってるの?)



 続々と体内から湧き上がってくる尿意に、律子はあっけなく気を取られてしまう。

 お昼休みに女子達がバケツで用を足すのを見ているうちに、気づいたら下半身の欲求に苛まれてしまったのだ……給食の時に飲んだスープも原因かもしれないと、今になって後悔させられていたのだ。

 放課後まで持ち堪えられるかすら気懸かりな中、どうして他の女子達が平然と異性の前で用を足せるのかと思い悩まずにいられない。

 ひたすら時計の針を見つめたまま、授業の内容に当分は意識を向けられそうになかったのだ……



「あ、あくうぅっ……!」

ギュッ。



 着々と押し寄せてくる尿意の波を、律子は懸命に堪えていた。

 しっかりと両脚を重ね合わせたまま、はしたない感覚を瀬戸際で耐え忍ぶ。

 ひたむきに我慢を続けている間も、教室の傍らに置かれているバケツの存在を意識せずにいられない。

 すぐにでも用を足したくてたまらない中、はしたない格好など決して人目には晒せそうになかったのだ……



チョロチョロチョロッ……

『ふぅっ……やだっ! 男子達ってば、見世物じゃないんだからそんなに近づいて来ないでってば!?』

『別にいいじゃん、減るもんじゃないんだし……大体、そんなに派手な音立てちゃってる方が悪いんだからな!』



 少しでも気分を紛らわせたいあまりに、律子はお昼休みの出来事を振り返る。

 給食の時間が終わった途端、女子達がこぞってバケツの前に並んで下半身をさらけ出したまま次々と用を足していたのだ……教室の中にはしたない水音が響き渡るたびに、次々と男子達が集まってきて散々恥ずかしい目に遭わされていたのだ。

 どんなに注意しようとしても決して離れようとせず、露わにしていた下半身や穿いている下着、さらには股間から飛び出すオシッコまで覗き込んでくる彼らの存在があまりに恨めしくてたまらない。

 いやらしい視線を決して避けられない事実を、彼女達も嫌と言うほど思い知らされていたのだ。



「あ、あうぅっ……!?」

フラフラフラッ……



 あまりに理不尽な規律に悩んでいるうちに、気づいたら五時間目の授業が幕を閉じる。

 休み時間になったのでそそくさとバケツの所へ向かう律子だけど、なかなか準備を整えられそうになかった。

 すぐにでも用を足したい反面、つい周囲を振り返らずにいられない。

 学ラン姿が視界に飛び込むたびに、ひとりでに身をこわばらせてしまうのだ。



(こんな所で服なんて脱いじゃったら……はしたない格好、男子達にも見られちゃうよぉ!?)



 教室にいる男子達の存在に、律子はあっけなくひるんでしまう。

 まさか異性もいる前で、用を足すどころか下半身を晒すことすら出来そうになかった。

 すぐにでも用を足したくてたまらない反面、他の女子達と同じような目に遭うのが怖くてたまらない。

 未だに激しい尿意を抱えている中、決して一歩も踏み出せそうになかったのだ……



「ね、ねぇ。家入さん。もし無理そうなら、今のうちにトイレにでも行った方がいいんじゃない?」



 落ち着きを失っている律子の様子を見兼ねて、詩織がそっと言葉を交わす。

 どうやらバケツで用を足すのをためらっているようなので、休み時間のうちにこっそり女子トイレを使うよう持ち掛ける。

 恥ずかしがり屋な律子の性格では、男子達のいる前で排尿など到底こなせそうにないはずだと考えていたのだ。

 授業の間も忙しなく肩を震わせていた律子の様子を、つい案じずにいられない。



「高桐先生ってば、そんなこと本当に許されると思ってるんですか? お願いだから変なことを吹き込まないでください!」



 律子を連れて教室の外に行こうとした矢先、いきなり潔乃が割り込んでくる。

 バケツで用を足さなければいけない決まりごとなのに、女子トイレに脚を踏み入れようとする二人の様子など決して見過ごせそうになかった。

 ついには教師と言う身分があるはずなのに、いきなり規則を破ろうとする詩織の素振りを平然と叱りつけてくる。



「べ、別に私は……だって、このままじゃ家入さんが可哀想じゃない」



 いきなり詰め寄ってくる潔乃の行動に、詩織はすっかり困り果ててしまう。

 なかなか用を足せずに苦しんでいた律子を助けたい一心でトイレに向かわせようとした矢先、まさか潔乃が行く手を阻んでくるなど思いもしなかった。

 潔乃の気持ちをなだめようと試みている間も、ついうろたえずにいられない。

 生真面目な潔乃の言葉に翻弄されるまま、何も言い返せそうになかったのだ。



「家入さんも、もしオシッコしたかったら今のうちにちゃんと済ませておいて。ただでさえ片づけが間に合わなくて大変なんだから?」



 強引に詩織を引き留めた後、潔乃は律子にも注意を浴びせる。

 防災週間の最中は女子トイレの使用は禁止していると踏まえた上で、もし用を足したければちゃんとバケツを使うよう改めて言い放つ。

 他の女子達も嫌々ながら教室で排尿している中、律子だけが女子トイレを使おうとしていた事実など、あまりに納得出来そうになかった。



「わ、私はまだ平気だから別に気にしないで……うぅっ!」

ヨロヨロヨロッ。



 潔乃からぶつけられた注意に、律子はあっけなくひるんでしまう。

 自分の不甲斐ない行動によって、詩織や潔乃にも迷惑を掛けてしまった事実を悔やんでいたのだ。

 気まずい雰囲気から逃れたいあまりに、慌てて席に引き返してしまった。

 そそくさと授業の支度に取り掛かっている間も、つい思い悩まずにいられない。



(家入さんってば……いくら規律だって言われても、きっと本当は恥ずかしくてたまらないはずなのに?)



 席に腰掛けている律子の様子を見つめながら、詩織はさらに心配を募らせる。

 授業中もずっと身震いを繰り返していたはずなのに、どうやら六時間目も尿意をやり過ごすつもりらしいのだ。

 ずっと縮み上がっている律子の姿など、見ているだけで気懸かりでたまらない。

 苦しい状況に追い込まれる中、あまりに理不尽な決まりごとにここまで思い悩まされるなど考えられない事態だった……



キーンコーンカーンコーン……

「それじゃみんな、席について……おや、高桐先生。わざわざ教室にやってくるなんて。一体どうなさったんですか?」



 教室に留まっている詩織に、不意に誰かが話し掛けてくる。

 すでにチャイムが鳴っているのに未だに教室へ居残っている詩織の様子が気になって、別の教師が質問を投げ掛けてきたのだ。

 まだ立っている生徒達に注意をぶつけながら、六時間目の授業を始めようと口にする。



「べ、別に何でもありませんから……失礼します」

フラフラフラッ。



 いきなり近づいてきた教師の姿に戸惑うあまり、詩織はそそくさと教室から遠ざかる。

 休み時間が終わった後、いつまでも教室に留まっているわけにもいかなかったのだ。

 入れ替わりに入ってきた教師の元から立ち去る間も、つい困惑せずにいられない。

 廊下に飛び出した後も、なかなか職員室に引き返せそうになかったのだ。



(家入さん……本当に大丈夫なのかな? きっとあの調子だと、放課後までずっと我慢するつもりみたいだけど……?)



 職員室に戻って業務をこなしている間も、詩織は教室での出来事を振り返る。

 普段から気弱な性格だった律子の様子を思い返しながら、おかしな事態を招いていないかと危惧していたのだ。

 無事に六時間目を切り抜けているのか、つい思い悩まずにいられない。

 あまりに理不尽な規則によって支配されている生徒達を嘆くあまりに、なかなか作業に手が回りそうになかったのだ……



キーンコーンカーンコーン……

「みんな、お待たせ。それじゃ早速だけど、すぐに帰りのホームルームを始めましょう?」



 悶々とした気分に浸っていた矢先にチャイムが聞こえてきたので、詩織は大慌てで教室へと引き返していた。

 廊下を急いで掛けているうちに何とか教室へ辿り着いたので、すぐに生徒達へ言葉を投げ掛ける。

 尿意に苦しめられている律子のために、せめて帰りのホームルームを早めに切り上げるつもりでいたのだ。

 教壇に立っている間も、つい律子の姿を追い求めずにいられない。



「うぅっ……」

モジモジモジッ……







 教室の中を見渡すと、詩織の目にとんでもない状況が飛び込んでくる。

 何故か律子がバケツの前に立ち尽くしたまま、忙しなく身を捩らせていたのだ。

 恐る恐る周囲を振り返りながら、つい縮み上がらずにいられない。

 周囲をクラスメート達に取り囲まれたまま、続々と注目を浴びせられていたのだ。



「やだ、家入さんってば。そんな所に立ったまま、一体どうしちゃったの?」



 異様な雰囲気が漂う中、詩織がすぐに生徒達の元へ割り込んでくる。

 すぐに帰りのホームルームを繰り広げるつもりでいたのに、まさか律子が教室の片隅に追いやられているなど思いもしなかった。

 そっと事情を尋ねた後も、頭を捻らずにいられない。

 彼らの返事を待ち構えている間も、物々しい雰囲気が漂ってくるのだ。



「高桐先生、丁度いい所に……家入がずっとオシッコを我慢しているようなので、高桐先生も注意してもらえませんか?」



 詩織が口にした疑問に、傍にいた担任が答えていく。

 どうやら律子が尿意を我慢しているようだと気づいて、帰りのホームルームを始める前に用を足すよう詰め寄っていたのだ。

 なかなか準備を整えようとしない様子など、見ているだけでじれったくてたまらない。

 ついには律子を説き伏せて欲しいと、たまたま居合わせた詩織にまで頼んでくるのだ。



「そ、そんな……家入さんもこんなに苦しんじゃってるのに、いくら何でも可哀想じゃありませんか!?」



 担任が何気なく口にした言葉の内容に、詩織は唖然とさせられる。

 本人がずっと恥ずかしがっているのを分かっているはずなのに、まさか用足しを迫ってくるなど思いもしなかった。

 とっさに担任へ反論をぶつけている間も、さすがに慌てずにいられない。

 一刻も早く律子を救い出さなければいけないのに、少しも帰りのホームルームを始められそうになかったのだ。



「ご、ごめんなさい。私のせいで……すぐ準備しますから、くうぅっ!」

カチャカチャッ、スルスルッ……



 二人が言い争っている中、律子は恐る恐る言葉を洩らす。

 これ以上誰かの迷惑にならないうちに、用を足す準備に取り掛かるつもりでいたのだ。

 周りに急かされる形でスカートを取り外す間も、手元を震わせずにいられない。

 わざわざ隙間を縫いながら身を乗り出してくる男子達の様子が、いきなり視界に飛び込んでくるのだ。



(どうしよう、ついにスカートなんて下ろしちゃった。穿いてるパンツをみんなに見られるだけでも恥ずかしいのに、いくら何でもお股なんて絶対に見せられそうにないよぉ!?)

ヒクヒクヒクッ……



 異性から浴びせられるいやらしい視線に、律子はすっかり弱り果ててしまう。

 ただでさえ恥ずかしい思いをさせられているのに、男子達のいる前ではしたない格好など晒せそうになかった。

 ホックを外した後もスカートの裾を握り締めたまま、つい縮み上がらずにいられない。

 穿いているショーツを人目に晒す度胸すら、決して抱けそうになかったのだ……



「家入さん、もう十分だから……私が付き添ってあげるから、とりあえずおトイレに行きましょう?」



 準備に手間取っている律子の様子を見兼ねて、詩織はそっと言葉を投げ掛ける。

 さすがに生徒達のいる前で下半身を晒せそうにない雰囲気なので、今度こそ律子をトイレに向かわせるつもりでいたのだ。

 律子の返事を待っている間も、つい背筋をこわばらせずにいられない。

 もしかしたら休み時間のように、律子をトイレに連れていくのを邪魔されてしまうかもしれなかったのだ。



「高桐先生、ちょっとお待ちください。まさか、家入をそのままトイレに連れていくつもりじゃありませんよね? 学校の規律を先生が破ってしまっては生徒達に示しがつきませんぞ?」



 詩織が口にした意見を、担任は平然と跳ね除ける。

 律子を庇うためだとしても、規則を破るような真似など決して見過ごせそうになかった。

 ついには詩織の未熟さを、生徒達のいる前で平然と叱りつけてくるのだ。



「あ、あうぅっ……も、もう駄目ぇっ!?」

カクカクカクッ、ピチャピチャピチャッ。







 担任が詩織と言い争っていた矢先、律子がいきなり遮ってくる。

 その場に立ち尽くしたまま悲鳴を撒き散らして、はしたない水音まで立てていたのだ。

 下半身に着々と引き起こされる事態に、つい慌てずにいられない。

 我慢の限界を迎えた挙げ句、とんでもない行為をしでかしてしまったのだ。



ショワショワショワッ、ジュクジュクジュクッ……

(どうしよう……まだトイレにも行ってないのに、どうして勝手にオシッコが出てきちゃってるの!?)



 続々と股間から溢れ出るオシッコの様子に、律子はあっけなく意識を奪われてしまう。

 ずっと我慢していた尿意をついに我慢出来なくなってしまい、挙げ句の果てに失禁をしでかしてしまったのだ。

 緩んだ部分から一気に溢れ出してくる、生温かい液体の様子に焦らずにいられない。

 どんなに両脚を重ね合わせても、まるで無駄なあがきを嘲笑うかのようにショーツの内側を続々とすり抜けてくるのだ……



「い、嫌ぁっ……! お願いだから、止まってってば……!?」

シュルシュルシュルッ、グシュグシュグシュッ。



 下半身を続々と這い回ってくるオシッコの勢いに、律子は段々と弱り果てていく。

 どんなに身を捩らせても、はしたない液体を少しも遮れそうになかったのだ……股間の周辺だけでなく、気づいたらお尻の辺りにも回ってくる始末だった。

 着々と下半身を濡らし尽くすオシッコの様子に、あまりに困惑せずにいられない。

 用を足す準備すら整えられず、人前で失禁をしでかした事実など決して人目に晒せそうになかったのだ。



ジュワワワワッ、ポタポタポタッ。

「うはぁ……おい見てみろよ。家入のやつ、ついにオシッコを漏らし始めちゃってるみたいだぞ?」

「どんどんパンツが濡れてきちゃって……家入って、こんな形のお股しちゃってるんだな?」

「さっき掃除したばかりなのに、こんなに床が台無しになっちゃって。一体どうするつもりなんだ……?」



 律子の下半身に着々と出来上がっていく格好に、周りにいる生徒達は続々と注目を寄せていく。

 丸出しになっていた白いショーツに暗い染みが浮かび上がると、裾の部分から薄黄色い液体が一気に溢れ出してくる……鼻をくすぐるようなニオイなど、どう考えてもオシッコ以外にあり得なかった。

 ついには太股の内側を続々と伝ううちに靴下や上履きにも染み込んでいき、立っている場所に水溜まりまで広げてくる。



「や、やだっ! そんな目で見ないでぇ……はうぅんっ!?」

チョボチョボチョボッ、ビタタタタタッ。



 思い思いに身を乗り出してくる男子達の素振りに戸惑う間も、律子はなかなか思うように失禁を止められそうになかった。

 彼らから向けられる視線を避けたい反面、まともな身動きすら取れそうになかった……人前でしでかした失禁を恥じらっている間も、股間から生温かい液体が止め処なく溢れ出してくる。

 激しい恥じらいに掻き立てられるまま、つい取り乱さずにいられない。

 女子としてあまりに致命的な姿を、寄りにも寄って顔見知りの相手がいる前で演じてしまったのだ。



(こんな格好、誰にも見られたくなかったのに……どうして放課後になるまで、ちゃんと我慢出来なかったの……!?)

チョロチョロチョロッ、パタパタパタッ……



 とっさに俯いたまま、律子は少しも顔を持ち上げられそうになかった。

 延々とオシッコを垂れ流すうちに、あまりに考えられない下半身の格好が出来上がっていたのだ……両脚を派手に濡らすだけでなく、自ら広げた水溜まりによって足下がものの見事に浸っていたのだ。

 目を瞑った後も周囲から漂ってくる、鼻を突くような異臭を意識せずにいられない。

 どんなに頑張っても、失禁をしでかした事実を決して取り繕えそうになかったのだ……



「はぁっ、はぁっ、はぁっ……あ、あうぅっ!?」

ワナワナワナッ……



 尿意に屈するまま粗相を繰り返すうちに、律子はすべてのオシッコを出し尽くしていた。

 ずっと苦しめられていた感覚が静まった後も、つい震え上がらずにいられない。

 はしたない感覚が収まったのと引き替えに、とんでもない姿を人目に触れさせてしまったのだ。

 周囲を取り囲んでいるクラスメート達の存在を意識するたびに、ひとりでに身を捩らせてしまう。



「まったく、本当に世話の掛かる奴だな……家入、お前の漏らしたオシッコで床がビショビショになってるんだ。せめて自分の手で掃除するんだ!」



 あまりに考えられない律子の失態を、担任は容赦なく責め立てる。

 決まりごとに従ってバケツで用を足すどころか、まさか教室の床を派手に汚してしまうなど考えられない事態だった。

 その場で泣き崩れている律子を相手に、とんでもない言いつけを始める。

 このままだとホームルームが始められそうにないので、すぐ後始末に取り掛かるよう平然と言い放つ。



「そ、そんな。先生ってば、いくら何でも惨過ぎます……!」



 あまりに理不尽な担任の言葉に、詩織は思わず耳を疑ってしまう。

 惨めな気持ちに苛まれているはずなのに、誰も律子を気遣おうとしないのだ。

 いたずらに律子を傷つけないよう訴えている間も、言葉を詰まらせずにいられない。



「大丈夫、律子ちゃん。私達も手伝おうか?」

「うぅん、平気。いくら何でもこれ以上みんなに迷惑なんて掛けられないから……」



 詩織の意見をよそに、女子達は律子に言葉を交わす。

 さりげなく雑巾を差し出すと、震えた指先で受け取りながらその場にしゃがみ始める。

 担任に言われたとおりに、床に広げてしまったオシッコをすぐにでも片づけるつもりでいたのだ。



「うぅっ……」

グシュグシュグシュッ。



 床に零したオシッコを丹念に拭き取っている間も、律子はなかなか落ち着きを取り戻せそうになかった。

 無理な我慢を続けたせいで、ここまで大騒ぎになってしまうなど思いもしなかった……後始末に取り掛かっている間も、つい視線を逸らさずにいられない。

 惨めに泣き崩れている自分自身の姿など、決して誰にも見られたくなかった。

 突き刺さるような視線を意識させられるたびに、胸の奥底が握り潰されるような感覚へと苛まれてしまうのだ。



「それでは床も綺麗になったことだし、そろそろ帰りのホームルームを始めようか。そんな格好じゃ席にも座れそうにないはずだし、家入はそこら辺に立ってなさい?」



 律子の様子を見届けながら、担任はさりげなく言葉を切り出す。

 床掃除が終わったようなので、帰りのホームルームを繰り広げるつもりでいたのだ。

 どうやら席に座れそうになさそうなので、その場に立っているよう律子へと言い放つ。



「は、はいっ……」

ヒクヒクヒクッ、ジュクジュクジュクッ……







 担任に言われるまま教室の片隅に佇んでいる間も、律子はひとりでに全身を火照らせてしまう。

 帰りのホームルームが繰り広げられる中、濡れたショーツを穿いたまま教壇に立たされてしまったのだ。

 ずっと俯いている間も、あまりに気まずくてたまらない。

 男子達が身を乗り出しながらオシッコの染み込んだ股間を見つめてきて、先ほどしでかした粗相をわざわざ噂してくる始末なのだ……

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