「傲慢女上司、服従せよ。」第2話前半2をお送りします。
「第1話後半2」の続きになります。
ブログで紹介する分はこれが最期です…

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「傲慢女上司、服従せよ。」ついに完成しました。三種類エンディングを用意したので、もし気になったらお読みください。

 ガチャッ。
「ふぅっ……」

 職場のドアから飛び出した後、私はそっと息を洩らす。
 やっとの思いで今日の業務を切り抜けたはずなのに、またしても笹本にとんでもない命令を下されてしまった……スカートや下着を身に着けないまま、これから通路を歩き回らなければいけないのだ。
 何度も周囲を振り返りながら、つい背筋をこわばらせずにいられない。
 物静かになった社内を、はしたない格好をさらけ出したまま本当に徘徊しなければいけないのか、考えるだけで気が重たくなってくる。

『いいですか、課長。オレがちゃんと見ていてあげますから、しっかりオシッコしてきてくださいね。もし言いつけを守れなければ、裸のまま帰ってもらうつもりなんですから……』

 通路の先をじっくりと見つめたまま、笹本が口走ってきた言葉の内容を振り返る。
 どうやら目的地にあらかじめカメラを設置してあるらしく、職場から私が用を足すところを眺めるつもりでいるらしい。
 あまりに卑劣な彼の策略など、思い返すだけで苛々が募ってくる。

フラフラフラッ……
(いつまでもこんな所に立ってたら目立っちゃうかもしれないし……とりあえず出発しなくっちゃ?)

 未だに気が引けずにいられない中、私は恐る恐る脚を踏み出す。
 笹本に言われたとおり、はしたない格好のまま通路を歩き回るつもりでいたのだ。
 床に脚を踏み込むたびに、自ら陥ってしまった立場を否応なく痛感させられる。
 エレベーターで粗相などしなければ、きっと彼の言いなりにならなくて済んだはずなのに……社内での立場を守り抜くために、はしたない命令を果たそうとしている自分自身があまりに情けなくてたまらない。

ヨロヨロヨロッ。
(……本当に、誰もいないわよね?)

 薄暗い通路を歩き続けるうちに、だいぶ職場から遠ざかってしまった。
 ほとんどの社員が退社して照明も落とされているはずなのに、言い表しようのない不安が続々と忍び寄ってくる。
 いつ警備員が巡回を始めるのか、あまりに気懸かりでたまらない。
 もし何かの拍子にはしたない格好を見られてしまえば、きっと不審者だと思われてしまうに違いないはずだ……

コツッ、コツッ、コツッ……
「……きゃんっ!?」

 周囲の様子に神経をすり減らしていた矢先、私の耳元におかしな物音が響き渡ってくる。
 とっさに縮み上がった後も、つい背筋をこわばらせずにいられない。
 ずっと懸念していたとおりに、どうやら警備員が近くを巡回しているようなのだ。
 息を潜めながら気配を窺っている間も、今にも心臓がはち切れそうな感覚に苛まれてしまう。
 下手に動いてしまえば、きっと相手に私の存在を感づかれてしまうはずだ。

ゾクゾクゾクッ、ヒクヒクヒクンッ。
(どうして、こんな時に限って……急にオシッコがしたくなってきちゃうのよ!?)

 壁際に隠れたまま警備員の動向を窺っているうちに、別のとんでもない状況が押し寄せてくる。
 ずっとおかしな緊張に苛まれていたせいか、気づかぬうちに尿意を催してしまったのだ……ひとりでに両脚が震え上がってきて、つい思い悩まずにいられない。
 ただでさえ破廉恥な格好を取り繕っているだけでも精一杯なのに、下半身の状態にも神経を向けなければいけないのだ。
 まだ目的地にも辿り着いていないのに、なかなか踏ん切りがつけられそうになかった……

カクッ、カクカクッ、ヨタヨタッ……
「くうぅっ、このぉっ……!」

 警備員の居場所が気になる中、私は意を決して物陰から飛び出していく。
 物静かな通路を歩き続けている間も、下半身の状態につい思い悩まずにいられない。
 なるべく膀胱に刺激を与えたくないばかりに、なかなか思うように脚を持ち上げられそうになかったのだ。
 限界まで膨らみ切った器官が、脚を踏み込むたびに容赦なく身体の内側で揺れ動いてくる……下半身をさらけ出したまま業務を続けている間も、ずっとトイレに行けなかったせいか相当オシッコが溜まってしまっているらしい。

「ふぅっ、ふぅっ、ふぅっ……」

 懸命に尿意を堪えながら脚を動かすうちに、何とか目的地に辿り着くことが出来た。
 笹本が言っていた場所をじっくりと観察しながら、つい思い悩まずにいられない……寄りにも寄って通路の真ん中などを、用を足すための場所に指定させられていたのだ。
 周囲の様子を振り返っている間も、つい焦らずにいられない。
 もし警備員がやってきても、どこにも隠れる場所が見当たりそうになかったのだ。

ブルブルブルッ、カクカクカクッ……
(どうしよう……本当にこんな場所なんかでオシッコしなきゃいけないの!?)



 なかなか踏ん切りがつけられない私を急かすように、一気に尿意が押し寄せてくる。
 どうやら目的地に辿り着いたせいか、身体が勝手に反応してしまっているらしい。
 あまりに激しい衝動を、いつまで堪え切れるかも分からない勢いだった。
 すぐにでも排尿して職場に引き返したい反面、本当にトイレ以外の場所で本当に用を足さなければいけないのか、未だに迷い続けていたのだ……
「用を足す」「様子を見る」

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